技人国ビザ申請書類の変更まとめ【2026年3月・4月改正】カテゴリー3・4と派遣雇用の企業は必読

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記事プレビュー|技人国ビザ2026年改正

2026年(令和8年)、在留資格「技術・人文知識・国際業務」(通称:技人国)の申請において、提出書類のルールが大きく変わりました。

変更は2段階で行われており、2026年3月9日に派遣形態での就労に関する新ルールが適用開始となり、続いて2026年4月15日からはカテゴリー3または4に該当する企業での申請に、新たな添付書類の提出が必要となっています。

この記事では、出入国在留管理庁(以下、入管庁)の公式ページをもとに、変更内容を企業の人事・総務担当者の方と、ビザ申請を控えている外国人の方の両方に向けてわかりやすく整理しています。

参照元:出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/gijinkoku.html)

1.技術・人文知識・国際業務(技人国)とは

「技術・人文知識・国際業務」は、理工学・情報工学などの自然科学系の知識や技術、経済学・法学・社会学などの人文科学系の知識、または外国の文化に根ざした感性を必要とする業務を日本で行うための在留資格です。

システムエンジニア、通訳・翻訳、デザイナー、企業の経理・人事・マーケティング担当者などが典型的な例として挙げられます。在留期間は5年・3年・1年・3か月のいずれかが付与されます。

「技術・人文知識・国際業務」で日本に在留する外国人は2025年6月末時点で約45万人に上り、永住者に次いで2番目に多い在留資格となっています。

参照元:出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/gijinkoku.html)

2.企業カテゴリー(1〜4)の基本的な考え方

技人国ビザの申請では、外国人が勤務する企業・団体(所属機関)を4つのカテゴリーに分類し、そのカテゴリーに応じて提出書類の内容が異なる仕組みになっています。カテゴリーの番号が小さいほど規模・信用度が高いとみなされ、提出書類が少なくなる傾向があります。

カテゴリー 該当する機関の例
カテゴリー1 東京証券取引所など国内の証券取引所に上場している企業、国・地方公共団体、独立行政法人、特殊法人・認可法人、公益法人、一定のイノベーション創出企業 など
カテゴリー2 前年の給与所得に係る源泉徴収税額が1,000万円以上の団体・個人、在留申請オンラインシステムの利用承認を受けた機関 など
カテゴリー3 前年分の給与所得に係る法定調書合計表を提出している団体・個人(カテゴリー2を除く)
カテゴリー4 上記のいずれにも当てはまらない団体・個人

一般的な中小企業の多くは、カテゴリー3またはカテゴリー4に該当するケースが大半です。自社がどのカテゴリーに当たるかは、源泉徴収に関する書類の提出状況などで判断します。

参照元:出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/gijinkoku.html)

3.2026年3月9日〜派遣形態で就労する場合の変更点

2026年3月9日の申請分から、技人国ビザを保有する外国人が派遣契約に基づいて就労する場合には、追加資料の提出が求められる運用に変更されています。入管庁は「申請人が派遣形態で就労する場合の取扱いについて」と題した文書を2026年2月24日に掲載し、この運用変更を正式に案内しています。

■ 変更の背景

本来、技人国ビザはエンジニア・通訳・企画・マーケティングなど専門性の高い業務を行うための資格です。しかし、派遣形態を利用して工場の製造ライン作業や店舗での単純作業など、資格の範囲外の業務に従事させる事例が問題となっていました。2026年1月に政府が取りまとめた外国人受け入れに関する総合的対応策を受け、入管庁は審査を抜本的に見直しました。

■ 認定・変更申請で追加された書類

派遣形態での就労を予定している場合、従来の書類に加えて以下の書類の提出が必要となります。

  1. 申請人の派遣労働に関する誓約書(派遣元の所属機関用)
  2. 申請人の派遣労働に関する誓約書(派遣先用)
  3. 労働条件通知書(雇用契約書)の写し
  4. 労働者派遣個別契約書の写し

■ 更新申請で追加された書類

在留期間の更新申請では、上記の書類に加えてさらに以下の書類も必要となります。

  1. 派遣元管理台帳の写し
  2. 派遣先管理台帳の写し
  3. 就業状況報告書

■ 誓約書の内容と注意点

誓約書は、派遣元と派遣先の双方がそれぞれ署名する書類です。申請内容に虚偽がないこと、在留資格の活動範囲を正しく理解した上で当該活動に従事させること、入管による確認・調査に協力することなどを確約するものです。

■ 申請時点で派遣先が確定していることが必要

新ルールでは、申請時点で派遣先が具体的に確定していることが前提となっています。派遣先が決まる前にビザ申請を行うことは事実上できなくなりました。また、付与される在留期間は、労働者派遣個別契約書に記載された派遣契約期間に応じて決定されることが基本となっています。

参照元:出入国在留管理庁「申請人が派遣形態で就労する場合の取扱いについて」(令和8年2月24日掲載、https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/gijinkoku.html)/日本経済新聞「外国人の専門人材『技人国』単純労働防止で誓約書 派遣の際に」(2026年2月25日)

4.2026年4月15日〜カテゴリー3・4に追加された書類

続いて、2026年4月15日以降の申請から適用される変更点です。入管庁は、カテゴリー3またはカテゴリー4に該当する場合に、新たに2種類の書類の追加提出を求めることを公式ページで明記しています。

■ 追加書類1 所属機関の代表者に関する申告書

カテゴリー3・4に該当する場合、申請の種類(認定・変更・更新)を問わず、所属機関の代表者に関する申告書(入管庁が参考様式を公表)を提出することが求められます。

■ 追加書類2 言語能力を証する資料(対人業務に従事する場合)

言語能力を活用して人と直接関わる業務(対人業務)に従事する場合は、業務上使用する言語についてCEFR(セファール)B2レベル相当の能力を有することを証する資料の提出が必要となります。

■ CEFRとは

CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)は、語学力を国際的に共通の基準で示す指標です。B2は「複雑な文章の要点を理解でき、専門的な内容について議論・説明ができるレベル」とされており、日本語においてはJLPT(日本語能力試験)のN2合格と同等とされています。

■ CEFR B2相当の日本語能力とみなされる条件

業務上使用する言語が日本語の場合、以下のいずれかに該当すれば、CEFR B2相当の日本語能力を有するものとして取り扱われます。

  1. JLPT(日本語能力試験)でN2以上を取得していること
  2. BJTビジネス日本語能力テストで400点以上を取得していること
  3. 中長期在留者として20年以上日本に在留していること
  4. 日本の大学を卒業していること、または日本の高等専門学校・専修学校の専門課程・専攻科を修了していること
  5. 日本の義務教育を修了し、高等学校を卒業していること

日本語以外の言語(英語・中国語・韓国語など)を業務で使用する場合は、その言語でCEFR B2相当の能力を証明できる資料が必要となります。

■ 「対人業務」に該当しない場合は?

言語能力の証明資料が求められるのは、あくまで「言語能力を用いて対人業務に従事する場合」とされています。ITシステムの開発・設計業務や、翻訳(文書のみ)・分析業務など、人と直接やり取りすることが主でない業務については、この書類は対象外となる場合があります。ただし、個別の業務内容によって判断が変わる可能性があるため、申請前に確認することをおすすめします。

参照元:出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」お知らせ欄(https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/gijinkoku.html)

5.申請の種類(認定・変更・更新)と変更点の関係

今回の変更は、技人国ビザに関するすべての種類の申請に関係します。それぞれの申請との対応関係を整理します。

申請の種類 概要 今回の変更が適用されるか
在留資格認定証明書交付申請(認定) 海外から新たに日本に呼び寄せる場合 カテゴリー3・4:代表者申告書の追加あり
派遣形態の場合:誓約書等の追加あり
在留資格変更許可申請(変更) すでに日本に在留している外国人が他の在留資格から変更する場合 カテゴリー3・4:代表者申告書の追加あり
派遣形態の場合:誓約書等の追加あり
在留期間更新許可申請(更新) すでに技人国の在留資格を持つ方が期間を延長する場合 カテゴリー共通:更新用チェックシートが改訂
派遣形態の場合:誓約書+管理台帳等が追加

なお、入管庁は2026年4月15日以降の申請に対応した新しい提出書類チェックシート(認定用・変更用・更新用)を公開しています。申請の際はこれらの最新チェックシートを必ず確認することが大切です。

参照元:出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/gijinkoku.html)

6.申請前の確認チェックリスト

今回の変更を踏まえ、申請前に以下の点を確認しておきましょう。

■ 雇用企業の確認事項

  • 自社はカテゴリー1・2・3・4のどれに該当するか確認した
  • カテゴリー3または4の場合、所属機関の代表者に関する申告書(参考様式)を準備した
  • 採用予定者が言語能力を使う対人業務に従事する場合、CEFR B2相当の証明資料を準備した
  • 派遣形態で雇用する場合、申請時点で派遣先が確定していることを確認した
  • 派遣形態の場合、派遣元・派遣先双方の誓約書を準備した
  • 派遣形態の場合、労働条件通知書・派遣個別契約書の写しを準備した
  • 更新申請で派遣形態の場合、管理台帳・就業状況報告書の写しも準備した
  • 入管庁の最新チェックシート(2026年4月15日以降版)を使用して書類を確認した

■ 申請を行う外国人本人・ご家族の確認事項

  • 勤務先(または内定先)がカテゴリー3・4に該当するか確認した
  • 通訳・接客・語学指導など対人業務に従事する場合、JLPTのN2以上など日本語能力の証明資料を手配した
  • 日本語以外の言語を使う対人業務の場合、その言語のCEFR B2相当の証明資料を確認した
  • 派遣雇用の場合、派遣先が確定してから申請の準備を始めた
  • 学歴・職歴と従事予定の業務内容との関連性を整理した

参照元:出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/gijinkoku.html)

7.まとめ

2026年に入り、技人国ビザの申請ルールは短期間で2度にわたって変更されました。変更の要点を整理すると以下のとおりです。

  1. 2026年3月9日〜 派遣形態での就労では、誓約書や契約書等の提出が求められる運用となり、更新時には管理台帳等の資料の提出を求められる場合があります。
  2. 2026年4月15日〜 カテゴリー3・4に該当する企業での申請では、代表者に関する申告書や、対人業務に従事する場合の言語能力資料の提出が求められる取扱いとなっています。

これらの変更は、専門的な業務を前提とする技人国ビザの趣旨に即した実態確認を強化する目的で行われています。

申請書類に不備があると審査が大幅に遅れたり、不利な結果につながる可能性があることが入管庁のページにも明記されています。最新のチェックシートや参考様式は入管庁の公式ページ(https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/gijinkoku.html)から確認・ダウンロードが可能です。

書類の準備や申請に不安がある場合は、入管庁が設置する「外国人在留総合インフォメーションセンター」(TEL:0570-013904)への問い合わせも活用できます。

参照元:出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/gijinkoku.html)

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この記事を書いた人

行政書士開業準備中 R8夏頃を予定しています。
現在は人材派遣会社で、派遣コーディネーター、人材紹介、新規営業などの業務を行っています。

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