「大卒の外国人スタッフなら、現場の作業を手伝ってもらっても大丈夫だろう」 「現場監督として採用したから、多少の技能労働は問題ないはずだ」
東京都小平市で建設業を営む皆様、その判断には非常に大きなリスクが隠れているかもしれません。
在留資格「技術・人文知識・国際業務(技人国)」は、あくまで学術的な知識や技術を要する業務のための資格です。結論から言えば、建設現場での単純作業や技能労働に従事することは、原則として認められていません。
このルールを正しく理解していないと、意図せず「資格外活動」や「不法就労助長」を招き、最悪の場合は建設業許可の維持や今後の外国人雇用が不可能になるという致命的な事態に発展しかねません。
本記事では、開業準備中の行政書士が、
- 入管法別表第一が定義する「技人国」の活動範囲
- 建設業法第3条と「現場業務」の法的な整合性
- なぜ「現場作業」がNGとされるのか、その根拠条文
について、実務の視点から徹底解説します。 正しい法令知識を身につけ、小平市での安全な事業運営と外国人材の適正な活用を実現しましょう。
1.在留資格「技術・人文知識・国際業務」の法的定義
(1)根拠条文
在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、
入管法別表第一(上欄)に規定されています。
内容は大きく三類型です。
- 理学、工学その他の自然科学分野の技術
- 法律学、経済学、社会学その他の人文科学分野の知識
- 外国の文化に基盤を有する思考・感受性を必要とする業務
参照:入管法別表第一
(2)重要なポイント
条文上、「単純労働」は含まれていません。
つまり、
技能労働や肉体労働を主たる業務とする活動は対象外 です。
2.建設業における業務区分
建設業法第3条は、
建設業を営むには許可が必要であることを定めています。
建設業の業務は一般に、
- 施工管理
- 設計
- 積算
- 現場作業
などに分かれます。
参照:建設業法第3条
3.建設業で「技人国」が該当する可能性がある業務
(1)施工管理
工学的知識を用いた施工管理業務は、
自然科学分野の技術に該当し得ます。
例:
- 工程管理
- 品質管理
- 安全管理
(2)設計・CAD業務
建築設計・構造設計などは、
工学分野の技術に該当し得ます。
(3)海外取引・通訳業務
外国企業との取引、技術通訳等は
「国際業務」に該当する可能性があります。
4.該当しない可能性が高い業務
以下は原則として「技人国」には該当しません。
- 型枠作業
- 鉄筋組立
- 足場組立
- 内装施工
- 解体作業
これらは技能労働に該当し、
特定技能や技能実習の制度対象となる分野です。
5.入管法第19条との関係(資格外活動)
入管法第19条は、
在留資格の範囲外活動を禁止しています。
「施工管理として許可を受けた者が、実際には現場作業に従事している」
という場合、問題となる可能性があります。
参照:入管法第19条
6.建設業法との実務上の交点
建設業法第26条は、
一定の工事について主任技術者の配置を義務付けています。
主任技術者業務は、
知識・技術を用いる業務であるため、
在留資格との整合性が問題となります。
参照:建設業法第26条
7.制度比較:特定技能との違い
| 区分 | 技術・人文知識・国際業務 | 特定技能(建設分野) |
|---|---|---|
| 主な業務 | 知識・技術業務 | 現場技能労働 |
| 支援義務 | なし | あり |
| 在留上限 | 原則なし | 通算5年(1号) |
まとめ
東京都小平市で建設業に外国人を採用する場合、
- 技術・人文知識・国際業務は「知識・技術業務」が対象
- 現場技能労働は原則対象外
- 入管法第19条により資格外活動は禁止
- 建設業法第26条との整合性確認が必要
条文に基づく確認が不可欠です。
■ 参照法令
- 出入国管理及び難民認定法 別表第一、第19条
- 建設業法 第3条、第26条
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