特定技能1号とは?職種別の試験内容・N4〜N1の日本語レベル目安・雇用後の届出義務を徹底解説【東京都・埼玉県版】

目次

【2026年最新版】初めての外国人雇用ガイド|特定技能1号の16分野・日本語レベル・届出まで人事担当者向けに解説

「人手不足を補いたいが、外国人雇用は手続きが複雑で何から始めればよいかわからない」——そのようなお声を、東京都・埼玉県の人事・総務担当者の方から多くいただきます。

外国人の就労受け入れ制度のなかでも、特定技能(在留資格)は即戦力となる人材を受け入れるための仕組みとして広く活用されています。2024年3月の政令改正で対象は全16分野に拡大され、建設・製造・農業・運送など多様な業種で活用が可能です。

このページでは、特定技能1号の16分野・日本語能力レベルの目安・職種別の技能試験・長期雇用のポイント・2026年時点の届出義務まで、初めて外国人雇用を検討される人事・総務担当者の方に向けてコンパクトにまとめました。2025年4月施行の制度改正(届出の年1回化など)も織り込んでいますので、最新情報をご確認ください。


基礎知識

1. 特定技能1号とは

特定技能は、深刻な人手不足が生じている特定の産業分野に限り、一定の技能・日本語力を持つ外国人材の就労を認める在留資格です。2019年4月の制度創設から7年が経ち、2026年1月時点で全国に33万人を超える特定技能外国人が日本で働いています。

特定技能には「1号」と「2号」の2種類があります。企業が最初に活用するのが特定技能1号で、取得には対象分野の技能試験と日本語試験の合格が必要です。ただし、関連する技能実習2号を良好に修了した外国人については、両試験が免除されます。

要件の種類 内容
技能試験 対象分野の技能評価試験に合格していること
日本語試験 日本語能力試験(JLPT)N4以上、または生活・就労日本語テスト(JFT-Basic)A2以上に合格していること
試験免除 関連する技能実習2号を良好に修了した場合は、技能試験・日本語試験ともに免除
技能実習修了者はスムーズに移行できます:すでに技能実習生を受け入れている企業では、技能実習2号を良好に修了した方を特定技能1号に試験なしで移行させることが可能です。優秀な人材を継続雇用できる点が大きなメリットです。

参照:出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」(https://www.moj.go.jp/isa/)


制度の概要

2. 対象16分野一覧(2026年1月時点)

2024年3月の政令改正で自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野が新たに加わり、2026年1月現在は全16分野が対象です。なお政府は2027年を目処に物流倉庫管理・リネンサプライ・資源循環(廃棄物処理)の3分野を追加し、計19分野とする方針を示しています(2026年1月時点で検討中)。

No. 分野名 主な対象業務(例) 特記事項
1 介護 身体介護・生活支援・レクリエーション支援 等 日本語はJLPT N4以上が必須(JFT-Basic不可)
2 ビルクリーニング 建物内の清掃・衛生管理
3 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業 機械部品の製造・加工・組立 等(旧3分野を統合)
4 建設 土木・建築・ライフライン設備工事 等 JAC加入・CCUS登録・国交省への計画認定が必要
5 造船・舶用工業 船体溶接・仕上げ・塗装 等
6 自動車整備 自動車の点検・整備・分解修理
7 航空 空港グランドハンドリング・機体整備補助
8 宿泊 フロント・客室清掃・レストランサービス 等 旅館業法の許可が前提
9 農業 耕種農業(施設・露地)・畜産農業 派遣形態での受け入れも可
10 漁業 漁船漁業・養殖業
11 飲食料品製造業 食品・飲料・惣菜の製造・加工
12 外食業 飲食店での調理・接客・店舗管理
13 自動車運送業 2024年新設 トラック・バス・タクシー運転 等 運転免許の取得・安全教育が重要
14 鉄道 2024年新設 軌道整備・電気設備保守・駅業務 等
15 林業 2024年新設 育林・素材生産・林業機械操作
16 木材産業 2024年新設 木材の加工・製造・選別

参照:出入国在留管理庁「分野別運用方針・運用要領」(2024年改正)/国土交通省「建設分野における特定技能」


手続きの流れ

3. 採用までの流れ(6ステップ)

特定技能外国人を採用するまでの大まかな流れを整理します。建設分野など一部の分野では追加の手続きが必要です(9章で詳述します)。

1
自社が受け入れ可能な分野かを確認する
16分野のいずれかに自社の業務が該当するかを確認します。分野ごとに「従事できる業務の範囲」が細かく定められており、範囲外の業務に就かせることはできません。
2
候補者を探す・絞り込む
国内外の求人媒体・外国人材紹介会社・技能実習修了者からの移行などの方法があります。候補者が試験に合格済みか(または免除要件を満たすか)を確認します。
3
雇用契約・支援計画を整える
給与・労働時間・業務内容を明記した雇用契約書を日本語と外国語(母国語)の両方で作成します。同時に支援計画を会社自身が作成するか、登録支援機関へ委託するかを決めます。
4
在留資格の申請をする(出入国在留管理庁)
国内在住の場合は「在留資格変更許可申請」、海外在住の場合は「在留資格認定証明書交付申請」を行います。建設分野は事前に国土交通省の計画認定が必要です。
5
就労開始・支援の実施
就労開始後は生活オリエンテーション・住宅確保支援など支援計画に定めた支援を実施します。定期面談は3か月に1回以上(2025年4月からオンライン面談も正式に認められました)。
6
定期届出(年1回)2026年改正
2025年4月施行の制度変更により、出入国在留管理庁への定期届出が四半期ごとから年1回に変更されました。毎年4月1日〜5月31日が提出期間です。2026年4月〜5月が初回提出にあたります。
登録支援機関とは(簡単に):支援計画の作成・実施を会社に代わって行う専門機関です。過去2年間に外国人労働者を雇用した実績のない企業は委託が義務付けられています。月額費用の目安は1人あたり2〜5万円程度が多く、手続き負担を大きく軽減できます。

参照:出入国在留管理庁「特定技能所属機関による各種届出(2025年4月施行分)」/出入国在留管理庁「特定技能所属機関による支援の実施に関するガイドライン」


人材の実力感

4. 日本語能力 N4〜N1 の実際の会話レベル

特定技能1号(介護分野を除く)の日本語要件はN4以上、または生活・就労日本語テスト(JFT-Basic)のA2以上です。N4からN1まで会話力には大きな開きがあります。採用前の目安として確認しておきましょう。

レベル JLPT公式の目標(要約) 職場での会話・業務の目安 語彙・漢字の目安
N4(最低要件) 基本的な日本語を理解できる ゆっくりな速度であれば日常的な指示・報告・挨拶は可能。専門的・抽象的な話題への対応は難しい場合が多い。 語彙 約1,500語 / 漢字 約300字
N3 日常的な場面の日本語をある程度理解できる 職場での業務連絡・会議の概要把握はおおむね可能。細かいニュアンスの確認が必要なことも。 語彙 約3,750語 / 漢字 約650字
N2 幅広い場面の日本語をほぼ理解できる 通常速度の会話・ビジネスメール・社内書類の読み書きがおおむね自力でできる。 語彙 約6,000語 / 漢字 約1,000字
N1 幅広い場面で使われる日本語を理解できる 専門的・論理的な内容を含め、ほぼすべての職場場面で円滑なコミュニケーションが可能。 語彙 約10,000語 / 漢字 約2,000字
介護分野のみ注意が必要です:介護分野では、JFT-BasicではなくJLPT N4以上が必須です。また、日本語要件に加えて介護技能評価試験への合格も求められます。他の分野と日本語の要件が異なる点に注意が必要です。

参照:日本語能力試験(JLPT)公式サイト(https://www.jlpt.jp/)/国際交流基金「JFT-Basic」公式サイト(https://www.jft-basic.jp/)


試験の概要

5. 職種別 技能試験の概要

技能試験は各分野の所管省庁または業界団体が実施しており、試験内容・実施頻度・実施国は分野によって異なります。主な分野の概要は以下のとおりです。

分野 試験名(略称) 主な試験内容 実施主体
建設 建設分野特定技能1号評価試験 土木・建築・ライフライン設備等の種別ごとに学科・実技試験(3業務区分) 建設業振興基金
介護 介護技能評価試験 介護の基本知識・コミュニケーション・身体介護技術 公益財団法人 国際厚生事業団(JICWELS)
飲食料品製造業 飲食料品製造業技能測定試験 食品衛生・製造工程に関する学科・実技試験 一般社団法人 外食業事業協同組合連合会 等
外食業 外食業技能測定試験 飲食サービス・衛生管理・接客の学科・実技試験 日本フードサービス協会 等
農業 農業技能測定試験 耕種農業・畜産農業に分かれた学科・実技試験 一般社団法人 全国農業会議所
自動車整備 自動車整備特定技能評価試験 自動車の点検・整備に関する学科・実技試験 一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会
技能実習2号修了者は試験が免除されます:技能実習2号を良好に修了した外国人は、技能試験・日本語試験の両方が免除されます。すでに技能実習生として就労している方がいる場合は、試験なしで特定技能1号への移行が可能です。スムーズな移行を検討する際は、修了時期と在留期限を早めに確認しておくことをおすすめします。

参照:出入国在留管理庁「分野別運用要領」各所管省庁サイト(建設:国土交通省 https://www.mlit.go.jp/、農業:農林水産省 等)


人材の目安

6. 日本人に例えると?採用できる人材の実力感

特定技能1号外国人は「合格証明書を持つ外国人」というイメージを持たれがちですが、実態は対象分野で即戦力として働ける知識・技術を持つ人材です。日本人に例えると、次のようなイメージで捉えるとわかりやすいでしょう。

観点 実力の目安
スキル面 対象職種の基礎知識については試験で一定程度担保済み。現場での実務に関して基本的な知識が分かるレベル。
日本語(N4最低ライン) 基本的な作業指示の受け答えはできる。複雑な説明・書類作成はやや困難。日本人の未経験者を採用する感覚だとギャップが生じる可能性が高い
総合イメージ 母国での経歴や、技能実習期間にもよるが、在留外国人であれば現場の基本業務を一人でこなせる「入社1〜3年目の若手社員」に近い即戦力感。言語面の補助は必要だが業務処理能力は十分。海外からの受け入れの場合は、言葉の壁や日本人とのギャップに直面する事もある。最初の教育の手間はかかるが、特定技能1号で最長5年、2号で無期限になる事を考えると教育していく価値は大いにある。登録支援機関は特定技能人材に対して、日本のマナーの教育や、オリエンテーションの実施や銀行口座の開設など、身の回りの補助をしてくれるので、そちらの利用を併せて検討していくのがよさそうです。
注意:個人の経歴・能力・日本語力は人によって大きく異なります。採用面接では、実際に担当させたい業務を念頭に、必要なコミュニケーションが取れるかを具体的に確認することが重要です。

定着・長期雇用

7. 長期雇用のための注意点

「採用できたが定着しない」という課題を抱える企業が少なくありません。特定技能外国人に長く活躍してもらうための主な注意点を整理します。

■ 労働条件は日本人と同等以上に
賃金・労働時間・休暇などは、同等の業務を担う日本人と同等以上の条件で設定し、雇用契約書に明記することが求められます。この点は特定技能制度の基本的な要件のひとつです。

■ 生活支援の体制を早めに整える
住居の確保・銀行口座開設のサポート・生活オリエンテーション(日本のルールや習慣の説明)などの支援を就労開始に合わせて実施します。こうした支援が充実している企業は定着率が高い傾向があります。登録支援機関への委託も有効な選択肢です。

■ 文化・宗教への配慮
食事の制限(ハラール対応・アレルギー等)や礼拝時間の確保など、出身国・宗教に応じた配慮が職場の信頼感につながります。定期的な面談(3か月に1回以上)を通じて、困りごとを早期に把握することも重要です。

■ キャリアパスを採用段階から示す
特定技能1号は通算5年が上限ですが(後述の改正あり)、要件を満たせば特定技能2号へ移行でき、在留期限なしで長期就労が可能になります。採用段階からキャリアパスを明示することで、意欲の高い人材が集まりやすくなります。

参照:出入国在留管理庁「特定技能所属機関による支援の実施に関するガイドライン」


在留・キャリア

8. 在留期間と特定技能2号への切り替え

■ 特定技能1号の在留期間(2026年時点)

2025年4月施行の重要改正点2026年適用2025年4月の制度改正により、特定技能1号の在留期間は1回の更新で最長3年まで認められるようになりました(従来は最長1年)。また、育児休業・病気療養などの期間は「通算5年」から除外されることとなり、より柔軟な雇用継続が可能になっています。

なお、在留の通算上限が原則5年であることに変わりはありません。5年を超えて継続就労させるためには、特定技能2号への移行が必要です。特定技能1号では家族の帯同(配偶者・子の呼び寄せ)は原則認められていません。

■ 特定技能1号と2号の比較

項目 特定技能1号 特定技能2号
在留期間 通算5年上限(1回最長3年更新) 更新制・上限なし
家族帯同 原則不可 可(配偶者・子)
対象分野 16分野 介護を除く15分野(2023年以降拡大)
技能要件 相当程度の技能 熟練した技能+監督・管理の経験

2号への切り替えには、各分野の2号評価試験への合格(または関連技能検定1級の合格)のほか、現場を指揮・管理した実務経験が必要です。2号を見据えた育成計画を早めに立てておくことをおすすめします。

参照:出入国在留管理庁「特定技能2号」運用要領(2023年改正)/出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領(2025年4月改正)」


手続き・届出

9. 雇用時に必要な届出・手続き一覧

特定技能外国人を受け入れた企業(特定技能所属機関)には、複数の届出義務があります。見落とすと行政指導・許可取り消しにつながる場合もあるため、チェックリストとして活用してください。

■ 出入国在留管理庁への定期届出2026年改正

2025年4月施行の改正により、届出頻度が四半期ごとから年1回に変わりました。「受入れ状況」と「支援実施状況」の届出書類が「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書(参考様式第3-6号)」に一本化されています。

届出の種類 提出先 提出タイミング
定期届出(受入れ・活動・支援実施状況) 出入国在留管理庁 毎年4月1日〜5月31日(前年4月〜当年3月分)
※2026年4〜5月が初回提出
随時届出(雇用契約終了) 出入国在留管理庁 実際の退職日から14日以内
※退職の「申し出」時点での届出は2025年4月改正で不要に
随時届出(就労開始遅延) 出入国在留管理庁 在留資格許可後1か月経過しても就労開始できない場合

■ ハローワーク(公共職業安定所)への届出

外国人を雇い入れた場合・退職した場合は、翌月末日までに管轄ハローワークへ外国人雇用状況の届出が必要です(雇用保険被保険者の場合は、雇用保険の取得・喪失手続きと同時に行います)。

参照:厚生労働省「外国人雇用状況の届出制度」(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第28条)

■ 社会保険・労働保険への加入

特定技能外国人も日本人と同様、要件を満たす場合は健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険の適用対象です。在留資格の種類にかかわらず、労働者として就労する限り加入義務があります。

参照:日本年金機構「外国人に係る社会保険の手続き」/厚生労働省「外国人に対する労働保険・社会保険の適用」

建設分野は追加手続きが必要です:建設分野で特定技能外国人を受け入れる場合、通常の手続きに加えて以下の3点が義務付けられています。未対応のまま進めると計画認定が下りないためご注意ください。

1. 国土交通省への「建設特定技能受入計画」の認定申請:賃金水準・キャリアアップの仕組みなどを記載した計画書を提出し、認定を受けます。
2. 建設技能人材機構(JAC)への加入:受け入れ企業はJAC直接加入または傘下の建設業団体への加入が義務付けられています。
3. 建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録:受け入れる外国人本人の技能者登録が必要です。

参照:国土交通省「建設分野における特定技能外国人の受入れ」(https://www.mlit.go.jp/)/一般財団法人 建設技能人材機構(JAC)公式サイト(https://jac-skill.or.jp/)


10. まとめ

特定技能1号は、正しく手続きを進めれば中小企業の人事・総務担当者の方でも対応できる制度です。2026年時点の要点を整理します。

確認ポイント 内容
対象分野 全16分野。製造・建設・農業・運送など幅広い業種で活用可能。2027年には19分野に拡大予定。
日本語要件 N4以上またはJFT-Basic A2以上。介護のみJLPT N4が必須でJFT-Basic不可。
技能実習修了者 技能実習2号を良好に修了していれば試験免除でスムーズに移行できる。
在留期間(2026年版) 1回最長3年更新・通算5年が基本。育休・療養期間は5年から除外(2025年4月改正)。長期雇用は2号移行を早めに計画する。
定期届出(2026年版) 年1回(4〜5月)に変更済み。2026年4〜5月が初回。届出書類も一本化。
建設分野 JAC加入・CCUS登録・国土交通省の計画認定が別途必要。

※特定技能の外食業分野について、受け入れ上限の運用により、在留資格認定証明書の一時的な交付の停止措置を講じることとされています。(令和8年3月27日付)

 

各分野で受け入れを予定していた企業様や、就労を予定していた外国人の方も政策的な側面から、法改正や上記のような制限等で就労を予定していたとしても、やむを得ず在留資格が取れないなんて事態も起こり得ます。そのため、外国人の雇用をお考えの方は在留資格の今後の見通しについて、一度専門家に確認しておくことをおすすめします。

※ 本記事は2026年3月時点の情報をもとに作成した情報提供用コンテンツです。個別の法的アドバイスを提供するものではありません。最新情報は出入国在留管理庁・各所管省庁の公式サイトでご確認ください。記事公開後の法令・省令改正により内容が変更となる場合があります。

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この記事を書いた人

行政書士開業準備中 R8夏頃を予定しています。
現在は人材派遣会社で、派遣コーディネーター、人材紹介、新規営業などの業務を行っています。

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